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関西を拠点に働く通訳の通訳以外の営みを多く含んだ日々雑感。自分の記録のための日記です。






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"Never Let Me Go"読み終えました。
昨晩読み終えました。
これから読む人の邪魔にならないような感想が書くのが
難しそうなのですが、トライしてみます。

Never Let Me Go Never Let Me Go
Kazuo Ishiguro (2006/01)
Faber and Faber

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少しアイザック・アシモフのようなSFっぽい設定の物語なのですが、
それは基本の設定だけで、実際に展開される世界は現代の
イギリスと全く変わらない感じで物語が始まります。

Kathy Tommy Ruthという、同じ学校で育った友人3人が中心になって
話が展開していき、その中で彼らが少しずつ自分達の存在の仕方に
ついて知っていくのと同時に、読者にもそれが分かってくるように
なっています。

非常に奇異な設定なのに、特に細部まで細かくその
設定を作り込むことなく、主人公Kathyの回想として
語られるその世界、そこに圧倒的に説得力があるのは、
やはり、カズオ・イシグロの登場人物の心の機微をすくう筆致が
あってこそ、という感じです。

あまりにも説得力があって、夢に出てきてうなされました。。

英語はかなり平易で、語彙も優しいものばかりです。
なのに丹念できちんとした、とてもよい質の語り口で、
「何が起こるのか早く読もう!」と急がせることなく、
淡々ときちんと物語を読むというリズムを作ってくれるように
思いました。

特に、子供の社会の中での力学や、子供の社会の論理、
感情を本当に細やかに描いているのは、イシグロさん、
よく覚えてるなぁ・・・という感じでした。

今、イジメがすごく問題になっているけど、子供の中で
自分の中では整理がつかない感情で、人をやっかんだり、
疎ましく思ったり、不安に感じたり、そんなことも根源にある
ようにも思うので、こんな風に子供社会の中のダイナミクスを
もう少し大人が分かって、思い出して、噛み砕いて説明して
寄り添うことも重要なような気がします。

それにしても。

極端な設定だからこそ、より表に出てくる人間の哀しさ、残酷さ、
寄り添う気持ち、友情、共感、欺瞞、後悔・・・。
そういう感情を、SFのようなストーリー展開の中に
緻密に織り込んで読み手の心を揺さぶる小説です。

あくまで、人間を中心に据えた物語ですが、
副次的なこととして、文学の力、というのも
考えさせられました。

著者のような知性と想像力と表現力が、例えば、
こんなことが起こったら、それは人間にとって、
どのような感情を伴う事件になるのか、そんなことを、
考えさせてくれる、と思います。、
科学のデータだけでは分からないこと、それを
知性で深く感じるきっかけに、小説って
なるのかもしれない、と思いました。

これほど読みやすい英語で、これほど本格的で、
読み応えのある小説が読める、という点で、
どなたにもお奨めです。

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この記事に対するコメント

Ishiguro氏も凄い方だと思いますが、YJさんの感想の素晴らしさと、いや、それも去ることながら、読むの早いですよね!ぅう~ん・・・真似できないi-227と改めて思ってしまいました(^^;

【2006/11/29 13:14】 URL | Mojo #-[ 編集]

Mojoさん
コメント有難うございます。
いや、読むの早くないのですよ。
読みやすかったのと、土日、風邪でベッドにずっと横になっていたので、それで特別早く読み終わったのでしたv-411
【2006/11/29 18:51】 URL | YJ #/XhSoEu2[ 編集]


う~ん、YJさんのこれだけの感想を見せて頂いては読むしかないです !
日本語でさえ読むのが遅いので (^_^;)、とーっても時間がかかると思いますが、内容に興味シンシンです。
お風邪はもう完治されていますように…
【2006/11/29 19:33】 URL | タロー #-[ 編集]

タローさん
温かいお言葉、有難うございます。

風邪は、なんとか直しました。
今日から3日間大きな会議の仕事なので、
大事をとっていたのです。

風邪をひくと、鼻が詰まるでしょう?
不思議なもので、鼻からも人間は音を
聞いているようで、鼻が詰まると、仕事が
とってもしづらいのです。なので、風邪は
大敵です。

この本、ぜひ読んでみて下さい、とってもお勧めです♪

【2006/11/29 21:22】 URL | YJ #/XhSoEu2[ 編集]

今年の一冊目です
私もこの本読み始めました。
今年の一冊目(?)です。
YJさんの感想が素晴らしかったので、すごく読みたくなり今年の一冊目はコレ!
この記事にトラックバックもさせていただきました♪
よろしくお願いします。
【2007/01/07 21:39】 URL | リウマチばあちゃん #-[ 編集]

リウマチばあちゃんさん
わぁ、とても嬉しいコメントを有難うございます。
光栄です。早速記事見に行っちゃおう。
【2007/01/07 23:16】 URL | YJ #/XhSoEu2[ 編集]

はじめまして
はじめてコメントいたします。英語の本を読むのが好きな、Kobantoと申します。
「えいごブログ」というのがあるということを初めて知って、こちらに辿り着きました。
英語関連の記事を書きましたので、TBさせていただきましたが、うまく入っているでしょうか。

カズオ・イシグロのこの小説は、読もうかどうかと思っていたところでしたが、読むことに決めました。英語の本の感想文は少ないので、これからも楽しみにしています。
ではでは。
【2007/04/15 08:24】 URL | kobanto #Ax712J3c[ 編集]

kobantoさん
コメント有難うございます。
TBは・・・、ちょっと確認してみますね。
ブログやってるのですが、イマイチ、いろんな
機能にウトいので。。
でも、ありがとうございました。
【2007/04/15 14:23】 URL | YJ #/XhSoEu2[ 編集]


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